ローム社長、東芝との半導体提携交渉「6月から1年かけて」
2024.05.13 日経クロステック
ローム社長の松本功氏は2024年5月8日の決算説明会で、半導体事業に関する東芝との業務提携に向けた交渉を同年6月をめどに開始することを表明した。
パワー半導体をはじめとする半導体事業全般に関して、技術開発や生産、販売、調達、物流などあらゆる面からの提携強化を目指す。1年ほどかけて交渉を進めるとした。
松本氏は「東芝と我々の半導体事業は製品ポートフォリオなど様々な点でバランスが取れ、親和性が高い。こんなシナジー(相乗効果)を生み出せるという提案を我々からしたい」と話した。
共通装置・部材の大量購入によるコスト削減、内製装置の相互販売、製品販売の相互委託などを想定しており、「難しい(ハードルは高い)が研究開発でも連携したい」(同氏)とした。
東芝の半導体事業とは具体的には、傘下の東芝デバイス&ストレージが手掛けるパワー半導体などのディスクリート(個別)半導体とシステムLSI(大規模集積回路)を指す。
ロームは半導体事業に関わる東芝との提携強化に向けた協議を始めることを日本産業パートナーズ(JIP)に提案したと、2024年3月に発表済み。
その際、将来的には資本提携も視野に入れて協議したいとの意思を表明した。ロームはJIPなど企業連合による2023年12月の東芝の非上場化に際し、3000億円を拠出した。
すでに国の支援の下、パワー半導体の製造に関する協業を進めている。ロームが炭化ケイ素(SiC)パワー半導体、東芝デバイス&ストレージがシリコン(Si)パワー半導体に重点的に設備投資し、その生産能力を相互に活用するというスキームだ。
事業総額は3883億円で、最大でその3分の1の1294億円を国が支援する。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/00001/09260/