高校生制作「ミャクミャク」陶板画、壊される…「壊さないで」の貼り紙は剥がされ河川敷に

 2025年大阪・関西万博を前に、大阪府立港南造形高校(大阪市住之江区)の陶芸部の生徒が3月、大和川沿いの堤防に飾った万博の公式キャラクター「ミャクミャク」の陶板画が、壊されているのが見つかった。管理する地元住民団体「大和川スマイルプロジェクト」の関係者は「生徒らの思いを踏みにじる行為で、許せない」と憤っている。

 大和川沿いの堤防では、約20年前から地域住民らと同校の生徒たちが、周辺の環境を良くしようと、自然をテーマにした陶板画を飾ってきた。ミャクミャクの陶板画は、万博を前に「大和川から笑顔を世界に届けたい」と企画。同校の陶芸部員約50人が昨年1月から1年間かけて4体を作り、3月3日に除幕式を開いて完成を祝っていた。

 最初に被害があったのは、4月27日朝〜28日朝。立体的に表現されたミャクミャクの左手がもぎ取られ、別の1体の目がなくなっていた。「壊さないで下さい」と書いた貼り紙を掲示したが、5月2日午前〜3日朝、貼り紙が剥がされ、ミャクミャクの指が折られるなどした。被害は4体の計10か所で、貼り紙や壊れた手の一部は河川敷に捨てられていたという。

 団体は住之江署に被害届を出し、同署が器物損壊容疑で調べている。陶板画づくりを指導した松村 理身さとみ ・元教諭(62)は「悪意があるとしか考えられない。思いが込められた作品なので、修復できないか、検討したい」と話した。

https://www.yomiuri.co.jp/national/20240511-OYT1T50033/