https://gendai.media/articles/-/85321
「アジア人差別」をしたフランス人が「差別じゃない」と本気で否定する理由

6月にセルビアの女子バレーボールの選手、そして7月にサッカーのフランス代表の選手と、世界で活躍するスポーツ選手らによるアジア人差別ととれる言動が立て続けに報じられた。

いずれのケースでも、本人たちは「差別のつもりはなかった」と釈明している。なぜ彼らに差別の認識がないのか、疑問に思った人は少なくないだろう。

フランス在住で、現地で長年翻訳業に携わっている田中晴子さんに、アジア人に対する「無自覚な差別」が生まれる背景について綴ってもらった。

「アジア人は差別の対象ではない」という思い込み


グリーズマンはフランスでは有名なスター選手です。ご当人は公式アカウントのツイートで、「僕は差別には常に反対してきた。今回自分とは違う人物像がでっちあげられて(=レイシスト扱いされて)心外ですぷんぷん断固抗議する!」と表明しています。

おそらく本人は本気で「チンチャンチョンいうのは差別ではない」と思っているのではないかと私は思うのです。そして一番の問題はそこにあります。

差別を全力で否定する理由

揶揄やジョークで気軽にステレオタイプを押し付けてくる人たちの多くは、自分の言動が差別だと自覚していません。また、差別はフランスでは刑事告訴されて有罪判決が出れば刑事罪で前科になりますので、みんな「差別」だと指摘されると、全力で反論してきます。

以下略