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世界で留学生の獲得競争激化

 背景には、少子化で日本人学生が減っていることや、グローバル社会で留学生数が大学評価の重要な指標になっていることがある。でも、なぜ中国人なのか。中国から来日し、行知学園を経営する楊舸(ようが)さん(37)は「私費留学生が97%を占める今、大学が欲しいのは、金銭的に余裕があって学力が高い留学生。それに最も見合うのが中国人だとみなされているのです。5年前は考えられなかったことです」と流ちょうな日本語で話す。

 2000年に約160万人だった世界の留学生は22年に4倍の約640万人に増えた。自国に優秀な留学生を呼び込もうとする競争が激しさを増しており、受け入れ国別のシェアをみると、日本への留学生は00年が全体の4%だったが、22年は同3%と低くなった。

 22年現在、日本に来ている外国人留学生は約23万人で、このうち中国人が45%を占める。政府は33年までに留学生の受け入れ人数を40万人とする目標を立てた。

 楊さんは「一部で変わりつつあるが日本では留学生について『来たい人は来ればいい』という古い考え方が根強いと思います。このままでは欧米に太刀打ちできないでしょう」と話している。【川上晃弘】