親族17人を失った空爆を生き延びたガザの少年、投下物資を受け取りに行き死亡

13歳のゼイン・オロク君を悲劇が襲ったのは、昨年11月のことだった。ガザの自宅がイスラエルの空爆によって破壊され、家族や親せき17人が殺害されたのだ。攻撃を生き延びたゼイン君だったが、そのわずか5カ月後の今年4月、空中から投下された支援物資を受け取ろうとした際、コンテナの直撃を受けて病院へ搬送されたものの死亡した。

ゼイン君の父親が当時の状況を語った。

死亡したゼイン君の父 マフムードさん
「パラシュートが落下している最中、支援物資の入った箱の1つが息子の頭に当たった。お腹を空かせている人々は息子には目もくれず、その箱に押し寄せた。息子は頭に挫滅創を負ったほか、人の流れに押された息子は骨盤や頭蓋骨、腹部を骨折した」

ゼイン君の祖父アリさんは、孫が支援物資を回収しようと、この排水の水たまりを泳いでいった時のことを話してくれた。

「ゼインは食べ物を手に入れようと泳いでいったよ」とアリさん。そしてこう問いかけた。「学校で机に向かっているはずの子供を、いったい何がそうさせているのか」

アリさんは昨年11月の空爆で親族17人が死亡したことと、今回孫が死亡したことの責任は米国にあるという。「彼らは米国から提供されたロケット弾にやられた。米国は私の家族を殺し、遺族に食べ物を送ったが、それを受け取りに行った子供が死んだ」

イスラエルとイスラム組織ハマスの戦闘は半年以上続き、ガザ市民は深刻な医薬品や食料、飲料水の不足に直面している。また飢餓発生の瀬戸際に立っている。

父親のマフムードさんはゼイン君についてこう語った。「息子は私の支えであり、私の人生のすべてであり、この世界での最初の喜びであり、大きな存在だ。大切な息子だった。どうか安らかに眠ってほしい」

https://news.yahoo.co.jp/articles/20c1f95f74fd5fc37a811de784141cea4da30560