津波にのまれた孫娘…「死ぬな! 頑張れ」 命救った祖父の行動

 「死ぬな! 頑張れ」。津波に襲われた男性は、一度は水に沈んだ孫娘のほおをたたいて叫んだ。石川県能登町の白丸(しろまる)地区。能登半島地震の濁流から3人の孫と共に生還した男性を訪ねた。



十数秒だったか。もがくうちに水の上に顔が出た。足は地面についている。中2と小6の孫の顔も見え、息をしている。だが小2の孫娘がいない。壊れた車のクラクションが鳴り響く中、水に潜り、必死に手探りした。服らしい物に触った。引っ張り上げると孫娘だ。顔の血の気が引いている。抱きかかえ、立ったまま口をつけて人工呼吸をした。他の2人の孫も妹の名前を大声で呼んだ。孫娘のまぶたがゆっくり開いた。

 会社員時代に習った心肺蘇生法が役に立った。「死なせるわけにいかない、その一心だった。本当にほっとした」。ずぶぬれのまま孫たちと高台の避難所へ上がった。一緒に逃げようとした猫は、孫の手から離れたケージごと流され、見つからなかった。

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