外交部、日本側が支援「断った」の言説は「台日間の調整の事実と合致しない」/台湾

(台北中央社)能登半島地震で、内政部(内務省)消防署が被災地への派遣を準備していた救助隊の待機を解除したとの報道を巡り、インターネット上の一部で「日本が台湾を断った」とする言説が飛び交っている。これに関し、外交部(外務省)の劉永健(りゅうえいけん)報道官は4日、「台湾を断った」との言い方は「台日間の調整の事実とは合致せず、公平性を欠いている」とし、日本政府からは台湾の申し出に対して感謝が表明されたと明らかにした。

劉氏は中央社の取材に対し、日本側からは感謝が示されるとともに、すでに数千人の自衛隊員など大量の人力を緊急投入して救助活動を進めているとの説明があったと紹介。台湾を含む各国から示された救助支援の意向に対しては、被災状況に応じて海外の援助を受け入れるかその可能性を検討すると伝えられたと明かした。

また、台湾は日本政府の災害救助計画を十分理解・尊重しているとし、日本側と密なやりとりを続け、もし今後、日本側からのニーズがあれば台湾は全力で支援を提供すると語った。

地震の発生を受け、消防署は1日夜までに救助隊の派遣準備を完了させていたが、3日午後、日本側から支援のニーズがないことを確認し、待機を解除したと発表していた。

https://japan.focustaiwan.tw/politics/202401040008

関連
https://www.sankei.com/article/20240104-LEJFBNZQABEONPIZCCE4JQONXU/
被災地支援については米国や英国、韓国、イタリア、フィリピンの首脳らも意向を表明しているが、日本政府は現時点で海外に支援を要請していない。政府関係者によると、被災地では道路などの被害が甚大で、現時点では陸路で救助隊員を大量に送り込むことが容易でない事情があるという。
東日本大震災のように、甚大な被害を受けた地域が広範に広がっているわけでもなく、物資の輸送ルートや仕分けなど受け入れが困難な側面もある。外務省幹部は「色々な国から『日本の要請があれば支援準備は整っている』といわれている。ニーズがマッチするものがあれば、検討していくが、その手前の状況だ」と語る。