<独自>万博協会、20超「タイプX」先行発注 参加国の決定待たず見切り発車

2025年大阪・関西万博の運営主体「日本国際博覧会協会(万博協会)」が、各国を代行して発注・建設する簡易型パビリオン「タイプX」に関し、導入を正式決定した国数を大幅に上回る20カ国超分を建設事業者に発注したことが9日、分かった。今の時点でタイプX導入を正式決定したのは2カ国。多くの海外パビリオンの建設が万博開幕に間に合わなくなる懸念が強まる中、万博協会は、各国の最終決定を待たず先行発注に踏み切った。

万博のパビリオンは、当初56カ国(・地域)が自前で設計・建設する「タイプA」の導入を計画していたが、建設資材費や人件費の高騰で予算などが折り合わず、建設事業者を見つけられない国が相次いだ。

このため今夏、より簡易な形であるタイプXのパビリオンの導入を各国に提案した。

ただ、タイプXはプレハブなどを利用するため建設スピードは速いものの、外部の構造が似通ったものになり、多くの国が採用に否定的。協会は当初、8月末まで申請を受け付けたが各国の反応は鈍く、今月初めまでに採用を正式に決めたのは、アンゴラ、ブラジルの2カ国にとどまっていた。

一方、タイプAの採用を希望し、実際に建設事業者が見つかった国は24カ国。さらに簡易な小規模展示「タイプC」に移行した国も2カ国あるが、30カ国近くが、どのタイプを採用するか決められない状況となっている。

協会は、これらの国が建設遅れで出展をあきらめることがないよう、各国の正式な採用決定を待たずタイプXを発注し、先行して建物の準備を進める方針をとったとみられる。

https://news.yahoo.co.jp/articles/d2f683f81e0c1fff6157662e4070e95545e9b5d1