雑誌「通販生活」を発行するカタログハウス(東京都渋谷区)は30日、ロシアによるウクライナ侵攻をネコのケンカにたとえた2023年冬号の表紙について、表現が不適切だったとして在日ウクライナ大使館に謝罪したと発表した。同社はホームページに「つたない表現で誤解を招いてしまったことをおわびします」とのコメントを掲載した。同社の担当者によると、今後、店頭での販売取りやめを検討しているという。
冬号の表紙は「『戦争できない国』『できる国』―どちらを選ぶにも覚悟が要る。」というキャッチコピーに、銃をかまえる兵士とネコの写真があしらわれている。
下部には「プーチンの侵略に断じて屈しないウクライナの人びと。がんばれ」というメッセージに続き、「殺せ、殺せ、殺せ。殺されろ、殺されろ、殺されろ。人間のケンカは『守れ』が『殺し合い』になってしまうのか。ボクたちのケンカはせいぜい怪我くらいで停戦するけど。見習ってください。停戦してください」という文言が並ぶ。
これに対し、ウクライナ大使館は27日、X(ツイッター)で通販生活の表紙画像を引用し、「このような呼びかけ及び例えを、日本国民及び日本政府の立場に矛盾するものとして強く非難します」と投稿。「ロシアは侵略国家であり、ウクライナから直ちに撤退すべきです。主権国家に対する侵略戦争はケンカではありません。侵略者を宥めることは終戦に導きません」と抗議した。
30日夜に発表された同社のウェブサイトでは、表紙にある「殺せ」「殺されろ」の主語はウクライナの人々を指したものではなく、戦争の本質を表現したつもりだと釈明。「どちらの側に理があるにせよ、『殺せ』は『殺されろ』の同義語になってしまうから、勃発した戦争は一日も早く終結させなくてはいけない。そんな思いを託して、このように表現しました」「申し上げるまでもなく、私たちはロシアの侵攻は許されるものではないと考えています」とつづった。
同社によると、冬号では「いますぐ戦争をやめさせないと」をテーマにした8ページの巻頭特集に5人の専門家や政治家が、ロシアのウクライナ侵攻を巡る停戦案をテーマにした記事を掲載している。

https://news.yahoo.co.jp/articles/05e4f15cb7506ba9b4b175f54ac3148461e6f2c9