「異常性欲者として標本にする」殺人罪で死刑後、体の一部がくり抜かれアルコール漬けに…伝説の"毒婦”と呼ばれた女の壮絶すぎる結末


 明治時代に「毒婦」の代表格として名をはせた、高橋お伝。「男に見境がない性的異常者で、ハンセン病に侵された2番目の夫を毒殺。愛人とのただれた生活の果てに、金に困り、色仕掛けで借金を依頼した男の首をカミソリでザックリ。捕まって斬首される間際、愛人の名を叫び続けた」――。一般に流布されているのは、悪の限りを尽くした「毒婦」の姿であった。


 しかし、草双紙などで作り上げられた虚構が入り混じっている。


お伝の“斬首”は判決から間を置かず執行された

 当時は判決から間を置かず刑が執行されたが、お伝の死刑執行日がいつだったかは資料によって違う。東日の記事は「法廷から台に乗せて市ヶ谷の刑場へ送られたが、裁判所内で獄吏を見ると、『長々ご厄介になりました』と一々礼を言い、悪びれた様子は少しも見えず、さすがに大胆なものだと驚かない者はなかったという」

色は透き通るほど白く、凄みを帯びた美人だった

お伝はなるほど美人だった。六尺(約180センチ)の男子を悩殺する魔力、美の魔力をたしかに持っていたと思う。日の目を見られぬ長年の獄中生活にいくらかやつれが見えていたが、色は透き通るほど白く、長面の中肉。いわゆる凄みを帯びたという方の美人だった。




 着衣は白のさらし木綿で、目隠しをされていたことは確かだ。さすがに奸悪なお伝も、しおしおを引かれるままに、一歩一歩、死の影を踏んで枠の前まで来た。斬首所へ引かれ入ったのだ。〉


斬首の直前、男の名を呼んでわめき騒いだ

 110年以上前の文章で女性差別的な表現もあるが、いよいよ刑の執行と思われた時、予想外の事態が起きる。


〈 ところが、悪党にも似ず至極往生際の悪い女で、いまになって「申し上げることがございます。どうぞお聞きなすってくださいまし。申し上げることがございます」と身をもがき、果ては男の名を呼んで猛り狂ったので、獄吏も、鬼神をしのぐ首切り浅右衛門もしたたか弱らされたらしい。ついに無理やり引き倒して、引き倒されまいとヒーヒー声でわめき騒ぐ口を押えて一太刀浴びせたが、いつになく切り損ねた。鬼の首斬り浅右衛門も毒婦の狂乱に思わず気が引けたらしい。〉

性器をくり抜いてアルコール漬けにし、標本をつくった 

『近世悪女奇聞』によれば、解剖は浅草にあった警視第五病院で行われ、執刀したのは小山内健・軍医。「新劇の父」と呼ばれた小山内薫の父だった。「この時、小山内医師はお伝の性器をくり抜いてアルコール漬けにし、異常性欲者としての標本をつくった」と同書。

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