道頓堀ダイブを巡り阪神優勝決定の50分後に始まった府警vs群衆の激しい「攻防戦」


プロ野球阪神タイガースが18年ぶりにセ・リーグ制覇を果たして一夜明けた15日早朝、
大勢が押し寄せた大阪・ミナミの道頓堀川に架かる戎橋周辺は、人の姿がまばらになりました。
03年星野阪神の優勝時には戎橋から約5300人が道頓堀川にダイブしましたが、大阪府警によると、
15日午前3時過ぎまでに川に飛び込んだのは26人。ほとんどが遊歩道からの“プチダイブ”でした。
優勝決定から約50分後、戎橋では府警VS群衆の最も激しい「攻防戦」がありました。

【写真】道頓堀に飛び込んだ女性を上げるのを手助けする水着女性

「橋を渡りきったところで切る」

 戎橋の南詰めにある戎橋交番付近。駆け足でやってきた警察官が、付近を警備していた十数人の警察官に、
同じ言葉を2度、繰り返しました。

 優勝決定から約50分後の午後9時40分ごろ。戎橋周辺は人があふれ、橋の中央付近からは断続的に
六甲おろしの合唱が聞こえてきました。群衆の熱気からでしょうか。立っているだけでも、汗が吹き出てきました。

 同9時半前からスポーツバーで観戦し終えたファンが続々と、戎橋を目指してきていました。
レプリカのユニホームを着たファンも混じる一団が動く巨大カニがある戎橋南側の「かに道楽」の近くに陣取り、
仲間を胴上げです。「おっ〜」。周囲のあおる声も激しくなります。あおりは伝わり、人の流れが止まりそうになりました。

 この時点までは、戎橋の欄干に沿って警察官がずらりと並ぶ「人のガード」で戎橋の欄干からの道頓堀ダイブは「0」。
滞留が起きようとしていましたが、戎橋南詰め付近の十数人の警察官も含め、横に一直線の列を作り、
戎橋の南側に「人のガード」を作りました。

 徹底ガードを擦り抜けようとした男性は、“突破”できず、言葉を投げ捨てました。
「くそっ! 狙ってたんやけどな」。間隙(かんげき)をついた道頓堀ダイブ狙いだったかもしれません。

 03年星野阪神が優勝したとき、戎橋で取材しましたが、あのときはダイブがダイブを呼ぶという状況でした。
05年岡田阪神の優勝のときは、大阪市が戎橋に約3メートルのダイブ防止フェンスを設置。
府警は警官500人以上を周辺に配備し、ダイブを徹底的に封じましたが、現場にいると、
群衆の反発するエネルギーを肌で感じました。フェンスの間を抜け、ダイブする人も。周辺ではトラブルも多発しました。
https://news.yahoo.co.jp/articles/1f93e1ce5b85c9803ac42f3d2ed9e6fc3cd471da