アップル、現行アプリ市場当面維持へ−最高裁がエピック訴え退け
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-08-09/RZ4T80DWX2PS01

米アップルのアプリ市場「アップストア」を巡りゲームソフトメーカーのエピックゲームズが起こした訴訟で、米連邦最高裁判所は9日、アップルは当面、アップストアの課金制度を維持できるとの判断を示した。

人気ゲーム「フォートナイト」を開発したエピックは、アプリの開発業者がスマートフォン「iPhone」ユーザーを他の購入オプションに誘導できるようにするべきだと訴えていた。

最高裁のケーガン判事は連邦高裁の決定を即時発効させることはないと述べ、エピックの要求を退けた。サンフランシスコの連邦高裁は今年、エピックゲームズ・ストアのような外部システムでの購入について、開発業者がユーザーに伝えることをアップルが制限するのはカリフォルニア州の不正競争防止法に違反していると判断していた。

ケーガン判事は説明はしなかった。同判事はサンフランシスコの連邦高裁からの緊急案件を担当する裁判官。

ケーガン判事がエピックの訴えを退けたことで、アップルは連邦高裁判決から、おそらく一時的ではあるが猶予を得ることになる。連邦高裁はアップルが年内に最高裁に上訴する時間を与えるため、判決を保留にしたが、最高裁が審理を拒否すれば判決に効力を生じる。

この係争はアップストアを通じて販売されるデジタル商品やサービスに対して最大30%の手数料を開発者に課すアップルにとって数十億ドルの収入に影響する可能性がある。連邦高裁の判決により、開発者はアップルのシステム内ではなくウェブ上での支払いを処理するリンクを含めることで、この手数料を回避できるようになる可能性がある。

アップルとエピックは、すぐにはコメントしなかった。