保険金不正請求で渦中の中古車販売業界最大手「ビッグモーター」。
ようやく会見を開き、辞任を発表した兼重宏行前社長(71)だが、オーナーの座にはとどまったまま。
そんな兼重氏の知られざる素顔を公開する。

「もうアレとは縁を切ったけぇ、話すことはないですけどね」

と言葉少なに語るのは、兼重氏の長兄である。

「縁を切るって、向こうが言い出したんやから。50年近く前、そう言って家を出て行ってから、すっかり疎遠で。
今どこにいるかもわからん。
だから今回の騒動について聞かれても何も知らんのですよ」

兼重氏は1951年、山口県岩国市で生まれた。上に姉と兄2人がいる4番目の子であるが、

「私らとは“種違い”なんですよ」

「うちの父は戦争で亡くなってね。
終戦後、未亡人の母が戦争から引き揚げてきた男と一緒になった。
そして生まれたのが宏行です。

家は畑をやったり、川でシロウオや貝を取ったりして生計を立てていた。
宏行は真面目で正直な性格だったが、年も離れているから、私らもあんまり遊んだりはしなかったね」

地元の小中学校を経て、岩国工業高校へ進学。卒業後は、陸上自衛隊に入隊した。
ちょうどその頃のことだ。長兄が言う。

「宏行から“兼重とは縁を切る”とはっきりと言われてね。
けんかしたり、確執があったりしたわけじゃない。
でも、生まれの問題とかで、本人なりに思うところがあったんでしょう。
それ以降はこの家に戻ってくることはなかったね」
https://www.dailyshincho.jp/article/2023/07261157/