「『はい、おとうさん』とその秋刀魚はおとうさんの前へ。そして彼と私の前に置かれたのは、骨をはずされた
身だけの秋刀魚でした。びっくりしましたよ。焼き魚の身だけ出てくるなんて(笑)」

ナツミさんがキョトンとしていると、母親が笑いながら言った。

「『この子はこうしないと魚を食べないの。せっかくだからナツミさんの分も骨をはずしておいたから』って。私、
無言でした。言葉が出なかった。彼を見ると、別に恥ずかしそうにするわけでもなく、『さあ、食べよう食べよう』って」

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