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ヒトも女が基本形だった

この原理はヒトの場合も基本的に同じである。さすがに、メスに比べて、オスの遺伝子が半分、ということはないが、メスに比べるとオスの遺伝子の量が足りないという事実は残る。
メスの性染色体は、XX型だが、オスはXY型である。Y染色体は、X染色体の五分の一くらいの大きさしかない。情報量も極端にすくない。オスは遺伝子レベルでも足りないのである。
他の生物同様に、すべてのヒトはまず女の子として出発する。精子と卵子が結合し、受精卵ができ、それが細胞分裂を繰り返し、胎児がつくられていくが、受精後7週目くらいまでは、男女の区別はつかない。
すべて女の子に見える。このあとY染色体という貧乏くじ(とあえていっておこう)を引いた個体だけが、特別の枝道に入る。すでに出来つつあった組織や器官があえて壊されて、男につくり変えられる。
男の子のおちんちんの裏側には、左右の皮膚を縫い合わせたような線があるのだが(俗に蟻の戸渡りなどと呼ばれている)、これは本来、女性器になるべき割れ目が閉じ合わされた痕跡である。
卵巣が降りてきて睾丸となり、陰唇が合わさってペニスとなり、クリトリスが乗っかって亀頭となった。なので、ペニスを立たせる海綿体組織は、女性器の陰唇にも存在し、性的に興奮すると充血する。
つまり、男性にだけあるように思われているものは、特別なものではなく、すべて女性にあった原器をつくり変えたものなのだ。このつくり変えのために男の子は胎児期に大量の性ホルモン(ステロイド)を身体中に浴びる。
この性ホルモンは基本的に免疫系を抑制するように働く。それゆえに、男性の免疫系は、女性よりも弱く、だから男性の寿命は女性より短く、感染症にかかりやすく、がんの罹患率も高く、ストレスに弱い、と考えられる。
つまり、「弱き者よ、汝の名は男なり」、というべきなのだ。メスだけでどんどん増える単為生殖に対して、メスとオスという二つの性をつくって次世代を生み出すしくみは有性生殖と呼ばれる。

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