ソニーPSVR2、初動販売は期待外れ-メタバース盛り上がらず

ソニーグループのバーチャルリアリティヘッドセット「プレイステーション(PS)VR2」(7万4980円)の初動販売が目標を大きく下回っている。メタバース(仮想空間)の盛り上がりに寄与する製品としてはスロースタートとなった。

  米調査会社のIDCによると、2月22日に発売されたPSVR2の3月末までの販売台数は27万台となる見込みという。ソニーGは昨夏時点で、PSVR2について同月末までに200万台を出荷するという目標を掲げていた。

  PSVR2は、ゲームで遊ぶ以外にも様々なことができるメタバース環境を構築するというソニーの戦略の根幹となる製品だ。吉田憲一郎社長兼最高経営責任者はメタバースをソニーの成長の柱とし、社内のゲームスタジオからVR向けソフトを発売したが、PSVR2の立ち上がりを勢いづかせることはできなかった。米メタもメタバース分野への多額の投資を続けているが、まだそれに見合う成果は上げられていない。

  十時裕樹最高財務責任者はモルガン・スタンレー証券が最近行ったイベントで、PSVR2が初代機PSVRの累計販売(約500万台)を超えることに自信があると語っていた。ニュースサイトThe Vergeの今月の報道では、メタのクエストシリーズの累計販売は2000万台を超えたとしており、PSVR2の初動は成功したとはいえない。

  ソニーGはコメントを控えた。

https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2023-03-30/RS9ISST0AFB401