住吉先生:
はい。睡眠薬の常用は控えるべきです。睡眠薬が効きにくくなる「耐性」の問題もありますしね。日本睡眠学会のガイドラインでも、徐々に減薬しつつ、最終的には「睡眠薬からの卒業」を念頭に置いています。常用している方の減薬はかなり難しくなるので、あくまでも一時的な補助が睡眠薬の正しい使い方になります。

編集部:
市販の睡眠改善薬やサプリメントについてはどうでしょうか?

住吉先生:
エビデンスが示されている事実として、「大豆に含まれるトリプトファンが、睡眠ホルモンとも呼ばれるメラトニンに変わる」というものがあります。この機序を製品化しているとしたら、信頼性は高いです。ただし、市販品は依存のコントロールが効かないですよね。加えて、真の原因をスルーしてしまうかもしれません。やはり受診だけはして、そのときに市販品の相談もされてみてはいかがでしょうか。
医師が勧める日常生活でできる睡眠障害の対策

編集部:
日頃からの心がけについてさらに伺いたいです。

住吉先生:
例えば、枕やマットレスを新調するといった「睡眠の質を高める」ための工夫も取り入れてみてはいかがでしょうか。市販品でも高機能で有用なものが出回っています。とくに枕の高さ、つまり「眠るときの首の角度」は重要です。また、マットレスの硬さは直接、体への負担としてはねかえってきますよね。あとは、寝具とは別ですが、起床時に日差しを浴びることで、体内時計が整います。

https://news.yahoo.co.jp/articles/147bc964e6d34a3fb541a1457ae3eac846a0339c?page=2