われわれはまず空母ジョージ・ワシントンを横須賀の母港から出港させ、西太平洋を遊弋させた。
それは必要になったらいつでも空母が使える状態にしておくためであるし、同時に中国軍からの攻撃の可能性がある以上、
ドックに繋留しておくわけにはゆかなかったからである。
中国軍はすでに「空母キラー」と呼ばれる大型軍艦破壊用のミサイルを開発している。

一方で、カリフォルニアの第三艦隊をいかなる偶発的事態にも対応できるように北部中央太平洋に向けて出港させた。
同時に、米国の攻撃用潜水艦を係争地の周辺海域に展開し、必要があれば同盟国を支援する体制にあることを中国に対して告知した。

その後、われわれはもう一つの大きな決断に直面することになった。
日本政府が尖閣周辺の部隊を掩護するために米駆逐艦の派遣を望んだからである。
日本政府は日本領土の防衛上のギャップを埋めるために米国の駆逐艦を日本海に派遣することを要請してきた。
事態が窮迫した場合に、この駆逐艦は危険にさらされることになる。
そのリスクを知りながら、われわれは日本の要請に同意することになった。
さしあたり、われわれは日本領土を攻撃から守るための支援を行うことがアメリカの責務であるという立場を守ったのである。