中国が台湾への圧力を強める中、台湾に最も近い沖縄県与那国島の町議会が来月上京して、政府に避難シェルターの設置を求めることが分かりました。

沖縄県の与那国島は台湾から110キロほどの距離にあり、去年8月に中国軍が台湾周辺で軍事演習を行った際には周辺の海域に弾道ミサイル合わせて6発が着弾しました。

政府がいわゆる「台湾有事」も想定し、弾道ミサイルなどからの避難施設の在り方について検討を進めていることも踏まえ、与那国町の町議会は先月、内閣総理大臣などに対し避難シェルターの設置を求める意見書を賛成多数で可決しました。

意見書は「台湾有事が発生した場合、与那国町は最も台湾に近いという地理的な特殊事情もあり、町民の生命と安全が脅かされることが強く懸念される」などとしています。

意見書を提出した議員などによりますと、議会の代表は来月上京し、政府に意見書を手渡してシェルターの設置を申し入れる予定だということです。

与那国島では、去年9月の定例議会で武力攻撃への応急対策などに充てる町独自の基金を設ける条例案が可決されたほか、11月には弾道ミサイルの飛来を想定した住民の避難訓練が初めて行われています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20230104/k10013940971000.html