南極での日本の観測拠点・昭和基地のすぐそばに、中国が観測施設を設置したとみられている。

日本側への事前の連絡はなく、中国側の目的やどのような施設なのかわかっていない。

中国の観測施設は赤色の球体型の建物で、南極・昭和基地からの距離はおよそ20kmしか離れていない。

関係者によると、中国の船が2022年2月、日本の観測船「しらせ」が氷を砕きながら進んだ航路を
数百メートル進むなどして昭和基地のそばまで近づき、施設を設置して帰ったという。

この地点では、日本の観測隊による観測活動が定期的に行われていて、日本側に対して通告なしに
中国側が設置したという。

南極条約では、領土権の主張の凍結・平和的利用・科学調査の自由などがうたわれているが、ほかの国の
基地周辺や観測拠点に通告なしで施設を設置することはあまり例のないことだという。

現時点で、中国側の目的やどのような施設なのかはわかっていない。

南極観測を担当する極地研究所は、「ラングホブデ(昭和基地から南に約20kmの地域)に
日本隊以外により設置された設備について、現時点でコメントするに足る十分な情報がないため、
コメントは差し控える」としている。
https://news.yahoo.co.jp/articles/df1de5376a47a5e9e9c2f82fb3c50dbf514f60b9