黒田総裁「利上げではない」日銀政策修正の狙い説明

日本銀行の黒田東彦(はるひこ)総裁は20日の記者会見で、長期金利の
上限引き上げについて「利上げではない」と説明し、事実上の金融引き締めではないか
という市場関係者の観測を否定した。主な一問一答は以下の通り。

--なぜ今回の会合で金利の上限を引き上げたのか

「海外の金融資本市場の変動を受け、債券市場では(秋以降に)市場機能が大きく損なわれた。
国債金利は社債や貸出金利などの基準になるもので、企業の起債など金融環境に
悪影響を及ぼす恐れがある。このタイミングで是正を図り、市場機能の改善を図った」

--事実上の利上げではないのか

「あくまでも市場機能の改善ということに焦点を当てたものであり、金融を引き締めようとか、
そういうものではまったくない」

--企業の借入金利や固定型の住宅ローン金利など景気に影響を与えないか

「大規模緩和の枠組みは変更しておらず、経済成長を促進し経済拡大を図る効果に
基本的変更はない。企業金融への(金融緩和の)波及がより円滑、安定的になることで
景気にはむしろプラスではないかと思う」

https://www.sankei.com/article/20221220-IEPAWHUTM5KMRHY2B674IWYHJ4/