「本屋」の次にAmazon参入の犠牲者となる業界、その筆頭候補は「薬局」です。薬局業界をとりまく現状やこれから待ち受ける試練について、
業界人の筆者が解説します。

苦境におかれる「薬局業界」だが…真の試練はこれから
調剤報酬改定による調剤報酬点数の低下や、新型コロナウイルスの影響による患者の受診控えなどにより薬局業界は苦しい
状況におかれています。そして、将来処方せん枚数が頭打ちになると業界はさらに追い込まれていくはずです。

このような状況のなかで、薬局は新たな問題にも直面しています。それは海の向こうからやってくるAmazonです。


Amazon薬局とは、処方せんに基づいて医療用医薬品を提供するオンライン薬局のことです。処方せんの管理から医薬品の注文、購入、
各種保険の登録など一連の行為がすべてオンライン上で完結し、患者のもとにはスピーディーに必要な医薬品が配送されます。
18歳以上のAmazon会員であれば誰でも利用でき、プライム会員であれば配送料は無料です。薬剤師による24時間年中無休の
電話相談のオプションサービスも整えています。

さらにAmazonは提供するAIアシストサービスAlexaで、服薬管理を支援するスキル(機能)を、アメリカの薬局チェーンと共同で開発しました。
このスキルでは、ユーザーの処方せん情報をAlexaに読み込ませて服薬のリマインド設定をすることができます。また薬局への処方薬の
追加注文をすることも可能です。

必ず日本にもAmazon薬局が上陸するはずです。毎年約8億2000枚発行される処方せん、そして約7兆8000億円にも上る
調剤医療費をAmazonが見過ごすはずがないからです。街角から次々と本屋が姿を消したように、次に消えるのは薬局かもしれません。

https://news.yahoo.co.jp/articles/a604edaf738eb7cd2f1cb9cde6d24b81b0fa7d05