西日本鉄道は、保有バスの2割に当たる500~600台を2030年度までに電気自動車(EV)にする目標を発表した。電気バスはコストの高さが課題だが、中古のバスを改造してコストを下げる。
台湾メーカーの技術を取り入れて西鉄子会社が車両の改造を担い、他のバス会社からの受注も目指す。

 西鉄は、住友商事が出資する台湾の電気バスメーカー「RAC」と共同でディーゼルエンジンの中古バスを電気バスに改造する技術を開発し、22年6月から北九州市で試験的に運行。
1回の充電での平均航続距離は130キロで、二酸化炭素排出量はディーゼルバスの40%減。路線バスは1日に100キロ以上を走る上に夏場は冷房による電力使用も大きいが、使用に耐えうると判断した。

 RACから技術指導を受けた西鉄子会社の西鉄車体技術(佐賀県基山町)が、中古のディーゼルバスのエンジンや変速機を取り外し、バッテリーやモーターを搭載して電気バスに改造する。
制作費は1台2700万円とディーゼルバスの新車(約2500万円)より高いが、新車の電気バス(約4000万円)よりも安価となる。整備費もディーゼルより電気バスのほうが安く、国や自治体からの補助金も活用する。

 バス各社は電気バス導入を模索するが、コスト面で導入は低調だ。西鉄は他社のバス改造も請け負い、収益事業に育てたい考え。
林田浩一社長は「電気バス導入のコスト面の課題を解決することで、温室効果ガス削減に貢献したい」と話している。【久野洋】

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