中国で、政策の基本方針などを決める5年に1度の共産党大会が16日から始まり、習近平国家主席が党トップの総書記として報告を行いました。この中で習主席は、幅広い分野で実績をあげたと誇示するとともに、台湾統一のためには武力行使も辞さない姿勢を示しました。

習近平国家主席は、台湾情勢をめぐってこれまでの実績を誇示した中で「われわれは、国の主権と領土の一体性を守り台湾独立に反対するという固い決意と強大な能力を示した」と述べました。

また、今後の方針を示した中では「『平和統一、一国二制度』の方針は両岸の統一を実現する最善の方法だ」として、香港やマカオで導入されている「一国二制度」による台湾統一の方針を改めて強調しました。

そして「われわれは最大の誠意をもって、最大の努力を尽くして平和的な統一の未来を実現しようとしているが、決して武力行使を放棄せずあらゆる必要な措置をとるという選択肢を残す」と述べ、統一のためには武力行使も辞さない姿勢を示しました。

さらに「その対象は、外部勢力による干渉と極めて少数の『台湾独立』分裂勢力と、分裂活動に対してであり、決して多くの台湾同胞に対するものではない」と述べ、アメリカなどを念頭にけん制しました。加えて「祖国の完全な統一は必ず実現しなければならないし必ず実現できる」と強調しました。

香港への姿勢は

報告のなかで習主席は、香港について「われわれは憲法と基本法に基づいて、愛国者による統治の原則を実行し、香港の情勢は混乱から安定した状態へと大きく転換した」として、抗議活動が相次いでいた香港に安定をもたらしたと強調しました。

また「一国二制度を揺るぐことなく貫徹する。全面的な中央による管轄統治権を着実に実行する。香港が国家の発展にいっそう融合することを支持する」と述べ、引き続き中国が香港への統制を強めていくとしています。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20221016/amp/k10013860291000.html