<社説>北朝鮮ミサイル日本通過 緊張緩和が再発防止策だ

北朝鮮が4日に発射した弾道ミサイル1発が青森県上空を通過し、太平洋側に落下した。推定飛行距離は約4600キロで北朝鮮のミサイルとしては過去最長を記録した。日本上空を通過したのは2017年9月以来7度目だ。
グアムや米本土にも届く中距離以上のミサイル能力向上を強調し、緊張激化によって米国に敵視政策撤回を迫る狙いや、日米韓の軍事訓練への反発があるとみられる。

 日本住民の生命・財産を脅かす暴挙であり、強く抗議する。ただ背景には、朝鮮戦争がいまだに休戦状態で、終戦に至っていないことがある。2018年に北朝鮮・韓国両国が「朝鮮半島を恒久的な平和地帯とする」とした「9月平壌宣言」に立ち返り、日米中ロなど関係国が緊張緩和に努めることこそが、ミサイル発射への最大の再発防止策だ。

<中略>

 韓国・北朝鮮はじめ関係国は軍事的な挑発や制裁などの圧力で対抗し合うのではなく、いま一度立ち止まり、対話路線を模索すべきだ。

 北朝鮮を巡る情勢は、軍事基地が集中する沖縄にも直結する。沖縄からも、軍備による「平和」ではなく、対話による真の平和を粘り強く訴えていく必要がある。

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