ウクライナ軍、ロシア併合の東部要衝を奪還 ゼレンスキー大統領は前進誓う
https://news.yahoo.co.jp/articles/9f3ffddf4acac0099bc93ba21d2a5b0c0e51394c



ウクライナの首都キーウで国家安全保障国防会議に出席するウォロディミル・ゼレンスキー大統領(2022年9月30日撮影、資料写真)。【翻訳編集】 AFPBB News

【AFP=時事】ウクライナは1日、ロシアが併合を宣言した東・南部4州のうちドネツク(Donetsk)州にある要衝リマン(Lyman)への進入を軍が開始したと発表した。ウォロディミル・ゼレンスキー(Volodymyr Zelensky)大統領は、今後1週間でさらに多くの地域へ進軍すると表明した。

【動画】ウクライナ大統領、NATO加盟申請を表明

 リマンの奪還は、ロシアが自国領であると主張し、あらゆる手段で防衛すると宣言している地域における、ウクライナ軍初の勝利となる。

 ウクライナ国防省は、リマン付近で数千人規模のロシア部隊を「包囲」したと述べた後、市内に「進入」したと発表。街の地名標識の近くでウクライナ国旗を掲げる兵士の動画を公開した。

 ゼレンスキー氏は同日夕の演説で「今週、ドンバス(Donbas)では多くのウクライナ旗が掲げられた」と語り、「1週間後にはさらに増えるだろう」と強調した。

 ウクライナ側の発表の直後、ロシア国防省は「より有利な戦線へ」部隊を「撤退」させたと説明した。

 ロシア側の損失が拡大していることから、専門家は、ウラジーミル・プーチン(Vladimir Putin)大統領が核兵器に頼る可能性があると警告している。

 ウクライナ軍によるリマン奪還後、プーチン政権の同盟勢力であるロシア南部チェチェン(Chechen)共和国の独裁者、ラムザン・カディロフ(Ramzan Kadyrov)首長は、ロシア軍は低出力核兵器の使用を検討すべきだと述べた。

 一方、ウクライナの国営原子力企業エネルゴアトム(Energoatom)は、欧州最大の原発で、ロシア占領下にあるザポリージャ(Zaporizhzhia)原発のイホール・ムラショウ(Ihor Murashov)所長が9月30日、ロシア側に拘束されたと発表した。

 所長は車で原発から出たところを拘束され、目隠しをされてどこかへ連行されたという。ウクライナ当局は即時釈放を求め、「違法な拘束」と非難した。