ウクライナのゼレンスキー大統領は12日、ウクライナ軍が9月以降、ロシアから奪還した地域は6000平方キロ以上に達したと表明した。南部ヘルソン州に配置されたロシア軍の一部は、降伏交渉を始めたという情報もあり、ウクライナ軍が攻勢を強めている模様だ。

 ゼレンスキー氏は12日夜、ビデオ演説で「我々の兵士はウクライナ東部と南部で6000平方キロ以上を奪還した。我が軍の進撃は続く」と述べた。ウクライナ軍の参謀本部は11日の時点で奪還した地域は3000平方キロと説明していた。

 ウクライナ軍は南部と東部で反撃に出ている。南部ヘルソン州では7月中旬以降、ドニエプル川にかかる橋を攻撃し、ロシア軍の兵器や弾薬の補給路断絶を狙ってきた。このため川沿いに配置されたロシア軍部隊は、兵站(へいたん)不足に陥っているとみられる。

 東部では10日に要衝イジュームを解放するなど、ハリコフ州などを中心にして、広範な地域を奪還している。

 ウクライナメディアによると、南部で作戦を展開しているウクライナ軍の広報担当者は12日、ヘルソン州の一部のロシア軍部隊について「国際人道法の規範の下で、武器を置く条件を交渉しようとしている」と語った。【宮川裕章(ブリュッセル)、畠山哲郎】

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