火星の大気から酸素を生成する実験装置「MOXIE」、有人探査に向け

火星の有人探査に向け、
火星の大気に含まれる二酸化炭素から酸素を生成する実験が進められている。
現在の小型実験装置「MOXIE」の酸素生成量は地球上の木1本とほぼ同じ程度だが、
科学者らは将来的に数百本の木に匹敵する酸素を作れるようにし、
探査に先駆けて火星に送りたいと考えている。

「火星で酸素を作れるか?」
この小型実験装置「MOXIE」なら可能だという。

マサチューセッツ工科大学ヘイスタック天文台のマイケル・ヘクト氏
「『MOXIE』とは何か。
 薄い空気から酸素を作り出す、小型エンジンの試作品だ。
 火星の薄い空気というのは二酸化炭素のことだ。
 宇宙飛行士が将来的に火星で呼吸するために必要なのだ」

MOXIEは英語の「火星酸素資源利用実験」の頭文字を取った名称。
MOXIEは2021年、NASAの探査機と一緒に火星に降り立った。
1時間に約5.7グラムの酸素を発生させる。地球上の普通の木1本とほぼ同じ量だ。
科学者らは、MOXIEをスケールアップさせ、数百本の木に匹敵する酸素を生成できるようにし、
有人探査に先駆けて火星に送りたいと考えている。

ヘクト氏
「4人の宇宙飛行士が火星で活動するには、数トン、数十トンもの酸素が必要だ。
 地球から持っていくこともできるが、長期的には持続不可能であり、
 短期的には途方もなく高価になる。
 火星に行った際には、できるだけ火星のものを利用したい。
 MOXIEはそのための大きな一歩だ」

https://news.yahoo.co.jp/articles/83225b310f3720a011016f207140e36c758b0ed0