https://news.yahoo.co.jp/articles/a2dbe9349c9c1b1bbb27a4e175e21fb3adcc1c74

6月にドイツで行われたコミックマーケット。参加者たちが好きな漫画やアニメなどのコスプレを楽しんだが、中でも大人気だった『東京リベンジャーズ』のコスプレが物議を醸した。


 原因となったのは、特攻服などに使われている「卍(まんじ)」の文字。仏教で徳の象徴と言われ、家紋や地図記号としても広く使用されているが、これがあるものを想起させるという。それは「ハーケンクロイツ」。

 ハーケンクロイツとは、第2次世界大戦中にナチスが用いていた鉤十字の紋章。戦後、アウシュヴィッツ強制収容所などでの残虐行為が明らかになり、ハーケンクロイツや右手を掲げる敬礼など、そのシンボルを公共の場で展示・使用することはドイツで法的に禁止されている。似たデザインも禁止されていることから、東リべの卍がナチスを想起させるとして、問題視されたのだ。

今回の件はドイツでどのように報じられているのか。ドイツ在住の東京女子大准教授でドイツ・ヨーロッパ近現代史が専門の柳原伸洋氏によると、「実はそれほど大きな話題にはなっていない」という。

柳原伸洋氏

 「ドイツにおけるアニメや漫画の趣味文化というのは、“人は人、自分は自分”と分けて考えられている。日本のように消費文化や大衆文化としてかなり広範に広がっているわけではない。漫画やアニメの背景を知らない人はやはりギョッとしてしまうが、掲示板上で『あれ大丈夫?』という質問に対して、ドイツのアニメファンや漫画ファンが『あのマークは違うんだ』と説明をしている感じだ」