ヘビみたい? 火星探査車「キュリオシティ」が見つけた不思議な形の岩

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こちらは、アメリカ航空宇宙局(NASA)の火星探査車「Curiosity(キュリオシティ)」のカメラ「Mastcam」を使って撮影された火星の岩です。画像の中央付近には、まるで立ち上がったヘビを思わせる不思議な形をした2本の岩が写っています。

様々な火星の大地(天体ギャラリー)

NASAのジェット推進研究所(JPL)によると、この指のように細長い岩はもともと地中で作られた可能性があるようです。まず、地下にできた岩の割れ目に水が流れ込むと、水に運ばれた細かな鉱物が堆積することで、割れ目は徐々に埋められていきます。やがて水が失われ、大気にさらされた岩が風による侵食作用を受けて削られるようになると、比較的密度が高くて侵食されにくい堆積物の部分だけが残されます。砂型で作る鋳物にも似た自然のプロセスによって、このような細長い岩が形成されたのではないかというわけです。

小さなヘビくらいのサイズだという画像の岩とは規模が異なりますが、侵食作用の受けやすさの違いがもたらした火星の地形は、他にも見つかっています。たとえば火星・南半球のグリンガウツ・クレーターの内側にある小さなクレーターでは、底にたまった堆積物が侵食されにくかったため、小さなクレーターの底だった部分のほうが周囲よりも高くなっているといいます。

また、河川の底にたまった堆積物が周辺よりも侵食されにくかったために形成されたとみられる畝状の地形からは、かつて川が流れていた場所がわかるだけでなく、堆積物を採取・分析することで太古の火星の環境に関する情報が得られるかもしれないと期待されています。