同性どうしの結婚が認められないのは不当だと同性のカップルが全国で起こしている集団訴訟で、2件目の判決が20日、大阪地方裁判所で言い渡されます。去年、札幌地裁が言い渡した1件目の判決は、法の下の平等を定めた憲法に違反すると判断していて、同様の司法判断が続くか注目されます。

法律が同性どうしの結婚を認めていないことについて、全国の同性のカップルが婚姻の自由や法の下の平等を定めた憲法に違反するとして、国に賠償を求める集団訴訟を全国5か所の裁判所に起こしています。

このうち、大阪地方裁判所に関西や香川県に住む3組のカップルが「異性の夫婦と生活は変わらないのに、同性どうしの関係性が保障されないのは不合理で残酷だ」と主張して起こしている裁判の判決が20日午後、言い渡されます。

一連の集団訴訟では、最初の判決となった札幌地方裁判所が去年3月、国への賠償請求は退けたものの、「合理的な根拠を欠いた差別的な取り扱いだ」として法の下の平等を定めた憲法に違反するという判断を示しています。

国側が「憲法では同性どうしの結婚は想定されていない」と主張する中、2件目の判決を言い渡す大阪地裁が再び憲法違反と判断するのか、それとも憲法には違反しないと判断するのか注目されます。

原告のカップルは
原告のうちの1組で、香川県三豊市の田中昭全さん(44)と川田有希さん(37)は、この先も2人で暮らしていくために夫婦なら当たり前の権利を認めてほしいと訴えています。
同性カップルには“さまざまな権利がない状態”
2人は3年前、三豊市役所に婚姻届を提出したものの、男性どうしのため受理されず、生活をともにして15年になる今も法律上の夫婦とは認められていません。

このため遺族年金や配偶者控除、遺産の相続など、異性が結婚したときに保障されるさまざまな権利がない状態です。

2人の自宅は購入した田中さんの名義のため、仮に田中さんが亡くなった場合、川田さんが譲り受けるには田中さんの遺言をあらかじめ用意しておくなどの手続きが必要で、配偶者に認められる税制面の優遇も受けられません。

さらに、一方が救急搬送された場合には、病院によっては家族と認められず面会や手術の同意ができないおそれがあります。

川田さんより7歳年上の田中さんは、「どちらかが亡くなった場合に備えて、契約を交わしておく手もあるが、生活上の項目を全部洗い出して取り決めるのはしんどい。年をとっていろいろな問題に直面してから一つ一つクリアしていくのは本当に大変なので、今のうちに訴えておきたかった」と話しています。

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