ロシアとの停戦協議でウクライナ代表団トップを務めるダビド・アルハミア氏は15日、東部戦線での戦闘が激化し、ウクライナ軍の死傷者が1日あたり最大約1000人に上っていると明らかにした。戦死者は1日に200~500人も出ているという。

米軍制服組トップのマーク・ミリー統合参謀本部議長は15日、ブリュッセルでの記者会見で、露軍が装甲戦力を最大30%失ったと指摘し、「第1次世界大戦のような消耗戦になっている」と述べた。

露軍が戦力を集中させている東部ルハンスク州の要衝セベロドネツクに関しては、重火器の量で勝る露軍側が「4分の3を掌握した」と述べた。ただ、露軍には補給や指揮命令系統などの課題もあり、ドンバス地方(ルハンスク、ドネツク両州)全域制圧は「不可避とは言えない」との認識も示した。

ウクライナ軍の制服組トップは15日、露軍がルハンスク州を制圧するため「9方向から同時に攻撃しようとしている」との分析を明らかにした。露軍は、ウクライナ軍が米欧から供与された重火器を本格投入する前に制圧地域を拡大する狙いとみられる。

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