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「アジアで一番、世界の中でも富裕国」が日本人の自尊心だった

今、日本はインバウンド需要に沸いていますが、訪日客が増える一番の理由は日本の物価が安いからです。おもてなしは大して関係ありません。

80年代の日本は、アジアでは突出しており、1人あたりのGDPでも世界5位以内に入っていましたが、今ではGDPで中国に抜かれ、1人あたりの豊かさでは、シンガポールや香港に大きく引き離され、韓国に並ばれようとしています。
最近では、中国人や韓国人だけでなくタイ人、ベトナム人、インドネシア人などが、たくさん日本に観光旅行に来ており、韓国、台湾、香港、シンガポールにつづいて中国が驚異的な経済成長を遂げ、東南アジア諸国が、それを追うように急速に豊かになる中で唯一、日本だけが成長から脱落しています。
90年代の日本は、中国が自由経済に舵を切った際に「中国から流民が押し寄せてくる」と大騒ぎして、14億人が豊かになるとはどういうことか?をまったく理解していませんでしたので、いつまでも、豊かな日本と貧しいアジアという幻想にしがみついていた結果、経済成長は、アジア全域に広がり中国だけでなく東南アジアにも多くの中間層が誕生しました。
2000年代に入ってすぐのベトナムは、世界の最貧国の一つでしたが、2015年ぐらいになると、ホーチミンやハノイに高層ビルが建ち、道はきれいに舗装され高級住宅地が整備されるなど急速に経済成長しました。
このように、アジア諸国が急成長する中で、日本人は、アジアの国々が自分たちにキャッチアップするとは想像もできず「自分たちがアジアで一番」という自尊心を持ち続けましたが、過去の遺物です。