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日本人が直視できない現実、アジア人観光客が訪日するのは「ただ安いから」


2020年代、日本は貧乏くさい国として存在し続ける

日本はディズニーランドの入場券や100円ショップの実質価格が中国や東南アジアよりも安いと報じられましたが(日経新聞2019年12月10日「価格が映す日本の停滞」)、これがまさに平成の30年間を象徴しています。日本はいつの間にか「安い国」に成り下がってしまったのです。

今や東南アジア人にとっても、日本は物価が安くて旅行しやすい国になった
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「安いから」日本へ押し寄せるアジア人観光客

80年代バブルの頃は、20代の女性が1泊2日の弾丸ツアーで香港へ行って、最高級のペニンシュラホテルに泊まってブランドものを買い漁っていました。それが今は、逆に香港やシンガポール、上海や北京の女性たちが、「日本は物価が安い」といって1泊2日、2泊3日で東京にやってきて買い物しています。

1980年代は「日本は物価が高すぎて外国人はビジネス以外には来られない」が常識で、私もずっとそう思っていたのですが、90年代末でしょうか、たまたま知り合った香港の大手金融機関の女性マネージャーから「趣味は日本旅行」といわれました。日本で何するのかと訊いたら、京都の高級旅館に泊まって、渋谷や青山でブランドもののバッグを買うというのです。

「ブランドショップなんて香港にいくらでもあるでしょ」というと、「だって日本は安いから」との答えが返ってきて、腰が抜けるほど驚きました。2000年前後にはもう「安いニッポン」の兆候が表れていたんですね。

それから5、6年して、シンガポールや香港の友人たちがどんどん日本に来るようになりました。何のためかというと、スキーをしに来るんです。彼らは雪を見たことがないから、日本でスキーをするのが一種のステータスなのです。北海道だけじゃなく、新潟や長野も人気でした。