ある19歳の徴集兵は、自動小銃さえ渡されなかった、と言っていた。
徴集兵は前線には行かないなどというが、実際は確実に前線にいる。

演習で草原を行ったり来たりしていて、国境付近で焚火をしていたところに急遽点呼がかかり、軍用車両に乗ったら、「武器がなくても怖がることはない」と言われて、そのまま国境を越えた、と話してくれた。

国境を越えた途端、前方で何台かの車両が炎上し、後方でも車両が炎上、仲間の兵士の体が燃えているのが見えた。
手足が吹っ飛んだ者もいた。

どこへ送られるのか知らなかったのだろう。
この兵士はすぐに捕虜になった。