ネコ科の動物を終宿主とし人間にも感染することがある寄生虫「トキソプラズマ」に感染した人間は、異性から「性的に魅力がある」と見られる可能性が高いことが明らかになりました。感染に伴い分泌されるホルモンが影響していると考えられています。

トキソプラズマはネコから人間へと感染することがある寄生虫で、感染しても人体に大きな影響は及ぼさないものの、免疫不全の状態で感染した場合は最悪の場合重症化して死に至ることもあります。

トキソプラズマはネコ科の動物を終宿主、ほ乳類や鳥類などを中間宿主とする寄生虫ですが、先行研究で「ネズミに感染した場合、ネズミが持つネコの匂いへの嫌悪感を逆転させ、ネコに食べられやすくすることがある」ということが示されています。これらの変化はハイエナやチンパンジー、人間でも見られ、「ネコの尿を嗅いだときに抱く印象」が寄生虫の感染により変化することが分かっています。

加えて、トキソプラズマは生物の交配による直接感染を促すために宿主の性的な魅力を向上させるという先行研究も存在します。実験ではトキソプラズマに感染したネズミが性的パートナーとして選ばれる可能性が高くなるという結果が示されているほか、人間を調査した研究では「トキソプラズマに感染した男性はテストステロンレベルが一貫して高く、女性から魅力があると評価されることが多かった」という結果も示されています。

https://gigazine.net/news/20220519-toxoplasma-infected-subjects-more-attractive/