中国にウクライナ製鉄所の兵士救済訴え 妻ら

【AFP=時事】ウクライナ南東部マリウポリ(Mariupol)のアゾフスターリ(Azovstal)製鉄所に立てこもる兵士らの家族が14日、中国の習近平(Xi Jinping)国家主席に支援を訴えた。家族は、ロシア政府が話を聞く世界の指導者はもはや習氏しかいないとしている。

 製鉄所は数週間にわたりロシア軍に包囲され、ウクライナ兵らは地下トンネルに立てこもっている。

 兵士の妻5人と父親1人は首都キーウで記者会見し、救済を必死に訴えた。息子が製鉄所に残っているスタウル・ビチニアク(Stavr Vychniak)さんは、「私たちが(支援を)呼び掛けられる人物は一人しか残されていない。中国の主席だ」と強調した。

「中国はロシアと(ウラジーミル・)プーチン(Vladimir Putin、大統領)に大きな影響力を持っている」と述べ、兵士の救出に向けて必要な措置をとるよう求めた。さらに、「彼らは絶えず爆撃を受け、地獄にいる」とし、負傷兵や死んだ兵士の遺体を製鉄所から移動させてほしいと語った。

 西側諸国とウクライナは、ロシアのウクライナ侵攻を非難するよう中国に対し繰り返し求めている。だが、ロシアと友好関係にある中国は、中立的な立場を崩していない。

 立てこもっている兵士の妻、ナタリア・ザリツカ(Natalia Zarytska)さんは「プーチンがノーと言えない人物が世界にはまだ残っている」と指摘。「強く高潔な中国は、善意の名の下に難しい決断を下すことができると確信している」と訴えた。【翻訳編集】 AFPBB News

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