東京都武蔵野市が昨年市議会に提案した外国人と日本人を区別せずに投票権を認める住民投票条例案をめぐり、成立に反対する市民団体のデモに反対するため道路に寝そべるなどして交通を妨害したとして、警視庁は10日、30〜60歳代の男女17人を道路交通法違反容疑で書類送検した。捜査関係者への取材で分かった。デモ行進の妨害行為により、渋滞が発生するなどしたことから、悪質性が高いと判断した。

捜査関係者によると、昨年12月4日、武蔵野市内で条例案反対派のデモが行われた際、条例制定を推進する関係者らがデモの妨害に入り、道路に寝そべるなどして行進を妨げようとした。

その結果、交通渋滞が発生したほか、路線バスの運行も妨げられるなど、市民生活に影響を及ぼしたことも確認されたことから、警視庁は悪質性が高いと認め、関与した男女17人を特定、摘発に踏み切った。

抗議のために地面に座り込んだり寝そべったりする行為は「シットイン」や「ダイイン」と呼ばれる。捜査関係者によると、17人の一部は「一般人に迷惑をかけたのは、申し訳ない」などと容疑を認めている一方、「今後もデモをやめさせる」などと話している者もいるとされる。

書類送検容疑は昨年12月4日午後3時前、武蔵野市のJR吉祥寺駅前の車道などに寝そべり、通行を妨げたとしている。

条例案は昨年12月21日の市議会本会議で否決された。

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