職員らが入所者に不適切な対応をしたとの情報が寄せられた神奈川県立知的障害者施設「中井やまゆり園」を巡り、県の外部調査委員会は26日、「入所者の肛門内にナットが入っていた」など5件は、虐待に当たる疑いがあると発表した。県は障害者虐待防止法に基づき関係市町へ通報する。

委員会によると、2020年3月に男性入所者の肛門内から直径2センチの金属製ナットが取り出された。園の調査では当初「自分で入れたと推測される」としていたが、委員会は医師や家族への聞き取りから、職員が入れた可能性が高いと判断した。

5件はこのほか、入所者のコップの水などに塩や砂糖とみられる異物が混ぜられたり、入所者に数百回スクワットをさせたりした。

情報は計約40件で、職員らの匿名アンケートなどで寄せられた。「すしに大量のワサビを塗って食べさせた」などの内容は引き続き調査する。

委員長を務める佐藤彰一国学院大教授は記者会見で「信じられないようなことが起きている。特定の職員の問題というより、職場全体で支援の在り方の認識が甘い」と批判した。

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