いまさらではあるが、「#MeToo運動」のやり方に疑問が出てきた。もちろん、性被害に遭われた方が勇気を持って告発することは、すごいことだと感じるし称賛を送る。辛い思いをされた方が、頑張って世の中を変えようとしているのだ。称賛以外にない。
 しかし、今のやり方には疑問がある。たくさんの人が読んでいる週刊誌に告発の声があげられる。そして、加害者側が徹底的に叩かれる。
 もちろん、なんらかの罪を犯した側は、世の中から制裁を受けるべきだと思う。しかし、その制裁は、罪の大きさに対し正しく、誰もが等しく与えられるものでなければならない。

(中略)

 どういう落とし所が被害者にとって最適なのか、そこがいちばん重要であるのに、それがまったく見えてこない。
 結局、ネットでの集団リンチが、加害者の社会的抹殺という制裁になるわけだが、ほんとうにそれでいいのか。
 というようなことをいうと、加害者の味方をするのかと、ものすごく叩かれる。
 違う。自分や自分のまわりの人が酷いことをされたと想像しても、それから先、生きていく上で、加害者には適正に罪を償って欲しいと願う。それには一つ一つ、きちんとした検証が必要だ。
 けれど、こういうことをいうと被害者に対する「セカンドレイプ」などといわれる。被害者がどれほど勇気を持って告発したか。まず信じろと。アメリカにおいて性犯罪の通報のうち90〜98%は真実というデータがあるらしい。
 嘘をついたとは思わない。が、10%から2%のいきすぎた告発があったのではと考えてしまう。集団リンチを受け自殺した人も出ている。人権が大事とされる現代において、被害者が守られた上で、きちんとした検証がなされ、適切な制裁が下される、そんな社会が望ましい。


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結婚後どんどんまともになる室井さん