群馬県太田市が4日に銅線ケーブルの窃盗被害を発表した「おおた太陽光発電所」。盗まれたケーブルは長さ2400メートル余り、重さにして約7トン(1300万円相当)に上る。
県内の金属買い取り業者は、世界的な需要の高まりによる銅の価格上昇が、各地で被害が相次ぐ背景とみる。一方、自衛を余儀なくされる自治体からは対策の難しさを嘆く声が聞こえてくる。

太田市の発表後、本紙記者がおおた太陽光発電所を訪ねると、施設を囲うフェンスが2カ所で取り外され、切断されたケーブルの一部が残っていた。フェンス外側ののり面には、引きずったような跡もあった。

周辺には企業の物流センターなどが点在するが、夜間の人通りは少ないという。市の担当者は「ケーブルは非常に重く、人間の力だけで運び出すのは考えづらい」とし、重機などを使用した大掛かりな犯行の可能性があるとみている。
この発電所は2012年に稼働し、2.8ヘクタールの敷地に約1万枚の太陽光パネルを並べている。この時季の売電額は1日約30万円に上るが、盗難により6分の1に減少している。復旧の時期は見通せず、このままでは損害は膨らむ見通しだ。

太田市は昨年7月、「おおた鶴生田町太陽光発電所」でケーブル計約920メートル(重さ約2トン、約330万円相当)が盗まれる被害を確認した。相次ぐ被害を受け、市はおおた太陽光発電所でも防犯カメラの設置などを進める方針だが、担当者は「警備を強化しても侵入されることもある。どこまで対策を取ればいいか難しい面はある」と打ち明けた。

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