シリコンバレー=奥平和行】米ツイッターは5日、大株主で米テスラ最高経営責任者(CEO)のイーロン・マスク氏を取締役に起用すると発表した。任期は2024年の定時株主総会までとする。同氏がツイッター株の9.2%を取得したことが4日に明らかになっており、経営に影響力を行使する意図が明確になってきた。

ツイッターとマスク氏は、同氏が取締役の任期を終えてから90日後まで、ツイッター株の保有比率について14.9%を上回らないことでも合意した。

起用の理由について、ツイッターのパラグ・アグラワルCEOは5日、「過去数週間の会話を通じて、マスク氏が取締役会に価値をもたらしてくれることが明確になった」と説明した。また、同氏は「当社サービスの熱狂的な信奉者であると同時に強烈な批判者でもある」と指摘し、「長期的に強くなるために当社や取締役会に必要な人材」と述べた。

マスク氏は4日、ツイッターを通じて利用者に「編集ボタンが必要か」と尋ねる調査を始めた。現在、ツイッターへの投稿は編集できない。投票を求めるツイートを引用してアグラワルCEOは「調査の結果は重要なので、慎重に投票してほしい」と呼びかけており、マスク氏がこうした「劇場型」を駆使してツイッターへの圧力を高める可能性が高まっている。

マスク氏による株式取得が明らかになったことを受け、4日の米株式市場でツイッターの株価は急騰し、前営業日比27%高の49.97ドルで取引を終えた。取締役に就任することも好感されて5日も続伸し、前日を一時7%超上回った。

https://www.nikkei.com/article/DGXZQOGN05CW10V00C22A4000000/