ラーメン二郎に通い続けると聞こえてくる「やさしさ」という“二郎の基本精神”

ラーメン二郎に足繁く通っていると、ラーメン二郎の基本の精神が聞こえてくるようなことがある。

【写真】人はなぜ、ラーメン二郎を食べるのか?

 足繁くというのは、数字でいうなら2019年は126回、2020年は191回、2021年は121回ラーメン二郎に通っている。

 いちおうラーメン二郎の本店と直系店だけの回数である。インスパイア、二郎系(ニセモノ二郎)は入れてない。

 ただ、これは、二郎に日常的に行かない人にとっては驚きの数字かもしれないが、本気本物のジロリアン(ラーメン二郎マニア)からすれば、ははーん、それぐらいですか、と半笑いで見られそうな回数でもある。

 私も、二郎好きとして、特別すごくよく通っているとはおもっていない。


 私に聞こえてくるラーメン二郎の基本精神はこれである。

 「食べられるなら、たくさん、食っていきなよ」

 そういう声である。
「働いてるんだよ、時給330円で」
 三田本店に行くと、「総帥」と呼ばれている創業者に会える。山田拓美氏。

 先だってドキュメンタリー『ラーメン二郎という奇跡〜総帥・山田拓美の“遺言”〜』が放送されていた(2022年3月30日深夜・フジ系列「NONFIX」)。

 カリスマ的存在である。

 朝は、店に立ってラーメンを作っている。午後にも手伝っている姿を見かける。

 厨房内の人が少ないときは、総帥自身が「助手」をつとめていることもある。


 もちろんラーメン二郎にも日常はある。働いている人と、毎日のように通う人にとってはそこはふだんの生活の中にある。その人たちにとっては日常世界なのだけれど、「映え」を求める人たちによって、テーマパークのように捉えられ、荒らされてしまったのだ。

 二郎をめぐる風景が少し変わってしまった。
「たくさん、食っていきなよ」の気風
 でも基本精神は揺らいでいない。

 三田本店ではまだ総帥・山田拓美氏が立っている。

ラーメン二郎の基本の精神は、私は「やさしさ」にあるとおもっている。

 怖いイメージを形成して維持してるのは、店側ではなく、常連たちの空気ではないだろうか。

 そして、全店舗のなかでもっともやさしいのはやはり「三田本店」だろう。ここがもっとも怖くない。誤解されてる面もあるが、怖さにびびっている人が行くなら、三田本店にかぎるのだ。

 「初めての二郎体験」の場合、わたしはだいたい三田本店に案内するようにしている。

 それがラーメン二郎である。


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