ロシア軍「無差別攻撃」報道に隠された意図 西側陣営が仕掛ける情報戦
2022.03.20 11:00  NEWSポストセブン

ウクライナ市街地の病院や学校などに対して、ロシア軍の激しい無差別攻撃が行なわれている。
国連人権高等弁務官事務所は3月18日、ウクライナの民間人の死者が816人、負傷者が1333人になったと発表。
実際の犠牲者数はこれを大幅に上回っていることが予想され、これまでに数千人規模の民間人の犠牲者が出ているとみられる。
核施設への攻撃など国際法違反を指摘されているにも関わらず、なぜロシア軍は「無差別攻撃」を続けているのか。

「すべての情報には必ず裏があります。インテリジェンス(いわゆる諜報)の観点からそれらを読み解くと、リアルな戦況が読み取れます」というのは、
国際ジャーナリストの山田敏弘氏だ。ニュースを通して、毎日伝えられる戦況の裏から読み取れる事情とは──。

「“長距離からの無差別的な砲撃が行なわれている”という報道から、ロシアがウクライナの制空権を握れていないことがまず読み取れます。
現代の戦争では、相手国のレーダーシステムを掌握して制空権を握ることから軍事作戦が始まります。
防空システムを混乱させたうえで、レーダーで戦闘機を捕捉されないようにして空からの爆撃を仕掛けるわけです。

さらに、ロシアの衛星システムが何らかの理由で機能していない可能性もあります。
通常はGPSなどで目標に正確に誘導して攻撃する『精密誘導ミサイル』などが使われるはずですが、ロシア軍は民間の建物から核施設まで、見境なく攻撃しているように見える。
そのことから、ロシア航空宇宙軍が管理する『グロナス』という衛星システムが抑えられている可能性が考えられます」

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