>>333
ロシア軍は前線に幹部が出るスタイルなんだって


 米大西洋評議会(アトランティック・カウンシル)の海兵隊フェロー、ジョン“バス”バランコ大佐は「小部隊の指揮レベルが、彼ら自身認めているように優れておらず、前線により近いところで将官の姿を見るのはそのためだ」と指摘する。

 「ロシア軍は前線で指示する下士官を有していないため、幹部が前線で細かく管理する体制に過度に依存している」

 将官の死については公開情報が限られていることから、ウクライナ側のどの戦術が最も成功したのかや、ロシア側の失敗が影響したのかどうかは分からないと、西側の将校やアナリストは話している。

 死亡したロシア軍将官の階級は「major general(少将)」と翻訳され、階級章は一つ星で、西側諸国の「brigadier general(准将)」に相当する。

 彼らが危険な衝突地帯にいたことは、ロシア軍のしきたりが関係している。こうした将官は、戦場に部隊を派遣するだけでなく、敵に遭遇するといった想定外の状況でいつ戦術を調整すべきかを判断するなど、幅広い権限を与えられているとされる。

 米シンクタンク、外交政策研究所(FPRI)のロブ・リー上級研究員は「ロシア軍は幹部の層が厚く、将校らが一段と大きな役割を担う」と話す。「ロシア軍は極めて中央集権的な意志決定の仕組みとなっており、衝突地帯の前線に彼らがいても驚きではない」

 対照的に米軍では、戦場で戦術変更を指揮できるだけの訓練を受けた中佐などの下級将校が大きな役割を担い、前線から遠く離れた場所にいる上級将校と緊密に連絡をとる。ここ数十年間に戦闘で死亡した米軍将官は1人だけで、不満を募らせたアフガン兵による攻撃の犠牲者だった。