ロシア人であることを、初めて生まれ育った国を、恥じるようになりました。

「あなたの話は全部ウソ」と告げた母親
ラナさんに追い打ちをかける出来事がありました。ロシア国内にいる母親を心配してオンライン通話をしたときのことです。

「あなたが言っていることは全部フェイクニュースよ」

思い切って「戦争のことどう思っているの?」と尋ねると、母親からは「戦争なんて起きていないでしょ」と言われました。ラナさんの認識が間違っていると批判されたのです。
母親は70代で、インターネットはほとんど使えず、ふだんはほとんどテレビを見て過ごしているといいます。

しかし、母親は「それはアメリカのプロパガンダよ。動画を撮った人はスパイよ」などと言って、聞く耳を持ってくれなかったといいます。
それどころか、逆にロシアの「軍事作戦」の意義を強調されました。説明はこうでした。

“ウクライナでの被害はロシア軍によるものではなく、ナチスがウクライナを攻撃しているからよ。ナチスがウクライナの一般人を盾にしているの。
ロシアは攻撃しているのではなく、ナチスから救うために戦っている。あくまで狙っているのは軍事施設だけ。テレビではそう報じているわ”

ロシア国内の報道では“ナチスからウクライナを守るためにロシアが侵攻した”という主張がされていて、専門家は高齢者ほどこうしたテレビや新聞の影響を受けやすいと指摘しています。

ついには母親から「あなたはナチスを応援しているの?そういう考え方であれば、もう死んでも構わない」とまで言われたというラナさん。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220319/k10013539391000.html