岸田文雄首相は北京冬季五輪の期間中、電話や自身のツイッターなどでメダルを獲得した日本人選手に祝意を伝えることを控えた。日本人選手が活躍するたびに活発に発信した歴代政権とは一線を画したが、「メダリストだけを取り上げるのではなく、参加者全員をねぎらいたい」(首相周辺)との思いがあったからだという。

「勝っても負けてもライバルとの健闘をたたえあう姿など、日本中にたくさんの感動を届けていただきました。選手の皆さん、お疲れさまでした。そして、感動をありがとう」

首相は北京五輪が閉幕した20日夜、ツイッターに五輪に参加した選手全員に謝意を伝えるメッセージを投稿した。

首相は五輪期間中、自身のツイッターで特定のメダリストに対して祝意を表すことは控えた。金メダルを獲得したスキージャンプの小林陵侑選手、スノーボードの平野歩夢選手、スピードスケートの高木美帆選手にはいずれも官邸のツイッターから政府として活躍をたたえた。

こうした対応は歴代政権では異例だ。菅義偉前首相は昨夏の東京五輪で、日本人選手が金メダルを獲得するたびに自身のツイッターで連日祝意を発信した。首相周辺は「参加した選手全員をたたえる五輪精神に則った」と話す。首相には「五輪の政治利用」などとの批判を避ける狙いもあったとみられる。3月4日開幕のパラリンピックでも同様の対応をとる考えだ。

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