政府が人気アニメ「マクロス」でサイバー犯罪防止 啓発月間の狙い


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 不正アクセスなどサイバー犯罪への防犯意識を高める「サイバーセキュリティ月間」が1日から始まった。政府は近年、サイバーセキュリティー対策に、人気アニメを起用しており、今年は最初のテレビ放映から40年となるSFアニメ「マクロスシリーズ」とのタイアップポスターが話題を呼びそうだ。

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 サイバーセキュリティ月間は2010年から、政府が毎年2月1日〜3月18日(サイバーの日)の日程で実施。官民を標的にしたサイバー攻撃対応の司令塔機能を担う「内閣サイバーセキュリティセンター」(NISC)が中心となり、民間企業やNPOなどと協力して、セミナーやオンライン協議会など啓発イベントを集中的に開催している。

 近年は大企業だけでなく、民間病院がサイバー攻撃を受けたり、インターネットバンキングが不正アクセスされたりと、サイバー犯罪が市民の身近な場所で起きており、市民に広く注意喚起を呼びかける必要性が高まっている。

 そこで、政府は16年から若年層をはじめ幅広い層の関心を高めるため、アニメとのコラボを始めた。

 これまでも「ソードアート・オンラインシリーズ」や「攻殻機動隊」「ラブライブ!」といった人気作品とタイアップ。NISCによると、ファンが人気キャラクターのポスターをきっかけにイベントに参加し、サイバー防犯に興味を持った例もあったという。

 今年の「マクロスシリーズ」はキャラクター、ロボットなどで計3種類のポスターを制作。「銀河(インターネット)に届け、私たちの歌(サイバーセキュリティー)」というキャッチフレーズをつけた。キャラクターやメカニック、楽曲などが魅力的で、多様な種族・年代が協力して脅威に立ち向かうストーリーがコンセプトに合致したという。

 人気アニメとのタイアップは人材育成の狙いもある。岸田政権は「デジタル田園都市国家構想」を掲げており、IT人材の確保は重要な課題だ。特にサイバーセキュリティー部門は人材不足が指摘されている。NISCの担当者は「アニメをきっかけに、情報リテラシーが高い人材の育成につなげたい」と話す。