新型コロナウイルスの自宅療養者に自治体が貸し出すパルスオキシメーターが、使用期間を過ぎても返却されないケースが相次いでいる。
特に、感染が拡大した今夏の「第5波」では病床が不足し、自宅療養者が大幅に増えたため急ピッチで貸し出しが進んだものの、回復後に返却を忘れている人が多いようだ。
第6波に備え、各地の自治体は回収に追われている。

 「自宅での容体チェックに欠かせない機器。とにかく皆に行き渡るようにと配ったが、これほど返ってこないとは」。神奈川県の担当者はこう打ち明けた。

 同県は、自宅療養者が自ら症状の悪化に気づけるようにと、昨年12月からパルスオキシメーターの配布を始めた。
配布した機器は、回復しているとみられる2週間後をめどに郵便で返送してもらうことになっている。
だが、延べ9万個以上を貸し出したものの、現時点で7000個以上がまだ返却されていない。

 県がメールなどで返却を促しても、「壊してしまった」「なくした」と答える利用者もいるという。県健康医療局の担当者は「次に使う人もいるので早く返してほしい」と訴える。

 5月から貸し出している沖縄県では8月、所有していた約1900個のうち1700個以上が返ってこない事態に陥った。
急いで追加購入するなどして対応したが、今月18日時点でも約1万6000個のうち約3000個が未返却だ。

国費負担
 パルスオキシメーターの購入価格は1個数千円で、自宅療養者向けに自治体が確保する場合は原則、全額が国費負担となる。
こうしたこともあり、各自治体は積極的に購入・配布してきたが、「回収」まで手が回らないのが現状だ。

「壊れた」「なくした」パルスオキシメーター、多数返却されず…県「これほど返ってこないとは」
https://news.yahoo.co.jp/articles/842734ff228f61088507e8111ab32aa7980386cb