サウンダラジャン氏らは論文の中で、この新しい変異は、両方のウイルスに感染した人の体内でSARS-CoV-2がもう一方のウイルスの遺伝子配列を取得したことで最初に起きた可能性があると指摘。

この遺伝子配列は風邪の原因となるコロナウイルスの一つである「HCoV-229E」のほか、エイズウイルス(HIV)でも多く確認されているという。

オミクロン株が最初に確認された南アフリカはHIVの感染率が世界で最も高い。HIVは免疫力を低下させ、風邪ウイルスやその他の病原体に感染しやすくなる。サウンダラジャン氏は、広く存在するこの遺伝子配列がオミクロン株に加わる組み換えが起きた可能性のある人がこの地域には多数くいると指摘する。

時間とともに繰り返し組み換えが起き、オミクロン株の出現につながった可能性があるという。

オミクロン株の変異の起源や感染力などへの影響についてはさらなる研究が必要だ。

サウンダラジャン氏は今回の研究について、既存ワクチンを接種することの重要性を浮き彫りにしていると述べた。